寝室が恐怖の場所にならぬよう睡眠薬との上手な付き合い方 (2/3ページ)
これは、風邪薬やアレルギーの治療薬を飲んだ際に眠りたくなるという副作用を、積極的に利用したものです。ただ、気軽に購入はできますが、常用すると効果が薄れてしまいます。使用が4週以上続くような人は、医師に相談した方がいいでしょう」(同)
医療関係者は睡眠不足の影響について、こうも語る。
「睡眠不足になると交感神経が優位になっている時間が長くなり、神経伝達物質のアドレナリンが大量に分泌されます。アドレナリンは心拍数を増やす上、血圧を上昇させて、動脈硬化を促進させてしまいます。つまり、血圧が高い人ほど睡眠薬に依存しているケースが多い傾向があるのです」
血圧が高くて眠れない、もしくは眠れないから血圧が高くなる。そのために睡眠薬に頼るという流れは、決していいものではない。
一方で睡眠薬は、いったん使い始めると徐々に効かなくなることもあり、一度効果が薄れてしまうと、どうしても強いものを服用し始める。そこからついには、睡眠薬の依存症に陥ってしまうことが多いという。
「そうした場合、効果が切れてきたときに脳が薬を欲するようになります。かといって、急に薬をやめると今度は離脱症状が出てしまう。中には複数の医療機関からいくつも睡眠薬を処方され、フラフラになってしまう高齢者が少なくないといいます」(健康ライター)
米心臓学会では、睡眠薬に依存している患者は、心臓発作のリスクが50%もアップするとの研究結果を発表している。なぜそうなるかの仕組みについてはまだ分かっていないが、大動脈瘤などのリスクも増加したという。
「確かに季節の変わり目には、不眠で睡眠薬を常用している患者が大動脈解離を起こして救急搬送されるケースが目立ちます。急に気温が上がったり下がったりするなど、気候に変化があるタイミングが危ないということです。いずれにせよ、不眠、睡眠薬、高血圧に密接な関係があることは間違いありません。また、睡眠薬を常用している患者は、心臓の手術をする際もかなり厄介で、麻酔が効きにくかったり、血圧が高めに推移し、コントロールに苦労します」(都内総合病院内科医)
そのため、医師によっては手術を受ける患者が睡眠薬を飲んでいる場合、一時的にやめてもらうことがあるという。