寝室が恐怖の場所にならぬよう睡眠薬との上手な付き合い方 (3/3ページ)
「ただしその場合、ほとんどの患者が『眠れない』と訴えて不満を溜め込み、術前の体調管理に悪影響を及ぼします。また、手術後に睡眠薬を再開した際は転倒事故を起こしやすくなり、管理上でのトラブルも招きやすくなるのです」(専門医)
それは、「睡眠薬を飲みたい」という患者の権利を認めるか、あるいは病院側の手術中の安全、さらには院内の管理問題のせめぎ合いになる微妙な課題なのだという。
国立精神・神経医療研究センターの関係者は、こう語る。
「いずれにせよ、厚生労働省の『国民健康・栄養調査』(2014年)によれば、成人の20%、つまり5人に1人が睡眠による休養が十分とれていないと答えている。しかし、不眠症の診断基準は随時改訂されるので、正確な患者数の推移は把握できず、実際の患者はこの半分以下の6〜10%程度と推測されるとも言われています。ただし、不眠症が高齢者に多いことは間違いなく、今後も爆発的に増えていくことは確実です」
高齢化に加え、成人の2人に1人は高血圧症患者、またはその予備軍とされる中、睡眠薬に頼ることは決して悪いことではない。しかし一方で、使い方を間違えれば危険をともなうことも忘れてはならないのだ。
まずは、薬を使わなくて済むような睡眠環境を作り、体調を整えることだ。