恋?それとも戦略?枕草子のやりとりを探る:歌人で美男子 藤原斉信 編 (3/3ページ)
親しくなることは決して難しくはないけれど、仮にそうなったとしたら今後あなたさまをおほめすることができないのが残念です。今主人の前であなたさまのことをほめているのに、どうしてそんな親しい仲になれましょうか。ただ今の関係(精神的な親愛)でいてください」というようなもの。
「なぜ恋人になってくれないの?」と言う斉信の言葉を、「そんな関係になったらあなたを表立って褒められないじゃない」とスマートにかわす清少納言。
いかがですか?二人はまるで恋愛関係にあるように見えますよね。でもこのエピソードが「枕草子」で紹介されたのは、「定子さまに仕える私はこんな貴公子とも対等に渡り合っている」というアピールともとれます。
単純に表面的な意味だけではく、二重におもしろい作品です。引き続き斉信とのエピソード含め、他の男性とのやりとりも紹介していきます。
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