次の「バブル」はいつ起こり、いつ崩壊するか? (2/2ページ)

新刊JP

景気拡大とバブルの分水嶺となる指標として挙げられるのは、PRB(株価純資産倍率:株価と資産の比率)です。日本の株式市場のPBRは、現在1.7倍くらいになっていますが、過去の歴史を見てみるとPBRが2.2~3.0倍までいくと、バブルになっているということになります。逆に言えば、データから見れば現在はまだ過熱している状態には見えないというふうに思われます。

「これはバブルだ」と気づくためのポイントは、新聞の一面を見ることです。
楽観的なニュースばかりが目立つと危険です。皆が「すべてがよくなる」という陶酔感に浸っている状態ですから。また、それまでの経済合理性から見ても収益が成り立たないものであるにも関わらず、金融機関や学者が新しい理論を持ち出して正当化する説明が出てくると危ないと言えるでしょう。

だから、数十年、数百年に亘って使用されている指標を使うことが大切なんです。
仮想通貨もそうですが、様々な物事を潜り抜けてきたものでなければ信用は出来ません。それはトラックレコード(過去の収益実績や運用成績)がないからです。
分析には少なくとも100以上のデータがなければいけません。それに満たないデータしか集まらない対象は「確からしさ」も低い。こうしたことは統計学や数学などを勉強すればわかることです。なので、基本的なことを勉強するということは非常に重要です。

バブルを引き起こさないために、政府や中央銀行にはゆるやかで微調整を繰り返すような政策が求められますが、人間が動いていることなので非常に難しい。また、選挙もあるので過熱を抑えることは難しいでしょう。
機関投資家は、フィデューシャリー・デューティー(資産を預けた人の利益を最大化する事に務めるのが義務で、利益に反するような行動は取ってはならないという考え)の原則で動き、どうやって儲けるかを追求することが責務なので、一言で言えばバブルが好きなんです。なので、「バブルは起こるもの」と考えておくことが大切です。

(次回に続く)

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