『この世界の片隅に』榮倉奈々が演じた現代パートが、物語に新しい表情を与える!?

日刊大衆

『この世界の片隅に』榮倉奈々が演じた現代パートが、物語に新しい表情を与える!?

 日曜劇場『この世界の片隅に』(TBS系)がスタートした。日曜劇場は『99.9-刑事専門弁護士-SEASONII』、『ブラックペアン』と、高視聴率ドラマを連発しているだけに今クールも要注目だ。しかも主演は3000人のオーディションで選ばれた松本穂香(21)で、相手役は近年、話題作への出演が相次ぐ松坂桃李(29)と、豪華メンバーがキャストに名を連ねる。今回は7月15日、第1回の放送を振り返って、このドラマの注目ポイントを見てみよう。

 物語は近江佳代(榮倉奈々/30)が、恋人の江口浩輔(古舘佑太郎/27)と現代の広島、呉を訪れるところから始まる。佳代は北條と書かれた表札のある古民家で、すずと書かれた一つのくしを見つける。そして、舞台は過去に。昭和9年、幼い浦野すず(新井美羽/11)は家の遣いで広島へ海苔を届けることに。ぼんやりとしているすずは人さらいに捕まってしまうが、一緒に捕まった男の子に助けられ、逃げ出すことに成功する。その後、成長して19歳になったすずを嫁にもらいたいと、呉から男がやってくる。それは、幼い頃、一緒に人さらいに捕まった、周作(松坂桃李)だった。

 このドラマが注目されているのは、豪華な出演者のおかげだけではないだろう。こうの史代原作の漫画は、2007年から2009年に『漫画アクション』(双葉社)に連載され、当時から美しいセリフ、胸を打つ人間描写が高い評価を得た傑作だ。そして2016年には、のん(25)がすずの声優を務めた劇場版アニメがロングランヒット。それゆえ、歴史に残る名作漫画というイメージが、すでに多くの人の頭にある。とにかく知名度は抜群の作品なのだ。

 それもあってか、ネット上ではさっそく今回のドラマ版が物議を醸している。話題となっているのは、ドラマオリジナルに加えられた“現代パート”だ。近江佳代は第1話の最後で北條と書かれた家に住むことを宣言したが、彼女と主人公であるすずの関係は明かされないままだった。この演出に対して、「現代編に違和感がある!」「蛇足にならないように」など、SNS上には早くも厳しめのコメントが踊ることになった。

■原作にない現代パートは蛇足ではない!?

 しかしこの現代パートは、本当に蛇足なのだろうか。原作者、こうの史代の代表作『夕凪の街、桜の国』(双葉社)もまた戦後の広島が舞台だが、そこに通じる現代も描かれ、物語が交錯していく作品だった。現代パートを足すというのは、この『夕凪の街、桜の国』にヒントを得ての演出かもしれないが、物語をさらに重厚にする効果が期待できる。

 また、重要キャラのリン役に、人気女優の二階堂ふみ(23)をキャスティングしていることも、注目ポイント。原作ではすず、周作に次ぐ大きな役どころなので、リンの存在がなんらかの形で現代の近江佳代につながるのでは? それとも違う誰かの子孫? いずれにせよ、ドラマでの新しい展開は、原作ファンとアニメファン、それぞれの関心を引くこと間違いなし。どちらのファンもいろいろな推理をしながら、ドラマ版をしっかり味わっていこうではないか。(半澤則吉)

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