『検察側の罪人』評:木村拓哉は「カッコつけるのやめたら死んじゃう病」だった! (1/2ページ)

日刊大衆

『検察側の罪人』評:木村拓哉は「カッコつけるのやめたら死んじゃう病」だった!

 みなさんこんにちは! 年間映画視聴本数200本超えの映画コラムニスト・中井仲蔵です。お忙しい皆さんに成り代わり、イケメンが出演する話題の映画をオヤジの視点で観るというこの連載も第二回目を迎えました。今回取り上げるのは、木村拓哉くんと二宮和也くんが出演する社会派サスペンス映画『検察側の罪人』です。

「ジャニーズきっての演技派」と呼ばれる、嵐の二宮和也くんもいいのですが、今回の注目は、その二宮くんと「アイドル対決」を繰り広げる、キムタクこと木村拓哉くんでしょう。

 なんてったってキムタクは、本人及び所属事務所やテレビ局、広告代理店、女性誌編集部などの「大人たち」が、寄ってたかってこしらえた「日本一のイケメン」ですからね。あのキャラクターがあまりにも完成度が高かったので、いろんな“お座敷”から「ウチでもそれをやってくれ」とのお呼びがかかり、そのために「何をやってもキムタク」という、ある意味最高の褒め言葉で語られるようになってしまった、伝説的スターです。

 そりゃ確かに、40歳を過ぎてからも茶髪のロン毛で、アクセサリーをジャラジャラさせてるファッションでは、「同じ職場にいたら絶対に仕事できねえヤツだよな」とは思う向きもたくさんいたでしょう。でも、なんだかんだでカッコいいんだから困っちゃう。世の女性も、あの口調で「ちょ待てよ」と言われたら、そりゃ何時間でも待ちたくなるでしょうよ。

 そんな木村くんですが、2016年のSMAP解散騒動で、「裏切り者」のレッテルを貼られ、すっかりミソをつけちゃいました。その騒動の直後に封切られた映画『無限の住人』も大コケしちゃったとか。

 ところが今回の『検察側の罪人』では、その汚名をそそぐべく、悪役を演じて新境地を開拓するっていうじゃないですか。考えてみれば、あの三船敏郎さんだって勝新太郎さんだって緒形拳さんだって、一流の役者はみんな観客がドン引きするくらい悪い人物にふんしてますからね。木村くんはせっかくダーティなイメージがついたのだから、それを逆手にとって、さらなる極悪人を演じてもらいたい。それこそがSMAP解散騒動のみそぎになりますぞ!

 ……などという期待をいだきながら、TOHOシネマズ渋谷のレイトショー上映を観て参りました。

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