半導体事業で真逆を行く ソニーと東芝の明と不安 (2/2ページ)
つまりスタートラインとはいえ、今の東芝には今後の稼ぎ頭の柱がない状況なのです」(同)
一方、'18年3月期に20年ぶりに過去最高の7348億円の営業利益を計上したのがソニー。こちらは半導体への対応が東芝と真逆で、5月に公表した中期経営計画では、今後2年で半導体中心の設備投資に1兆円もの資金を充てる方針をぶち上げている。
「ソニーは今後3年間で、2兆円のキャッシュフローの目標を立てている。その稼ぎ柱の一つが、現在の好調さを支えるゲーム機『PS4』に代表されるネットワークサービスの堅持。二つ目が、定額のストリーミング配信向けの音楽コンテンツ。三つ目が4K、8Kのテレビやカメラなどの高付加価値家電。これらグループ全体で稼ぐ豊富なキャッシュをベースに、半導体事業に資金を注ぎ込むという」(経営アナリスト)
ソニーの半導体事業とはどんなものか。IT関係者はこう言う。
「強みは世界で52%のシェアを持つ、高機能スマホ画像に欠かせない、CMOSイメージセンサー技術。そこへ、さらに1兆円投資するといいます。このCMOS技術の先行度は断トツで、今後はサムスンでさえ大きく引き離すとされているのです」(同)
ただし、そんなソニーにも不安はある。現時点では、CMOS技術の大半がスマホ向け。そのスマホの年間出荷台数は15億台弱と大きいが、市場の成熟が進み徐々に縮小の気配も見せ始めている。
しかし、前出の経営アナリストは、ソニーの強気な投資をこう評価する。
「スマホの画像技術は、ソニー以外からもいいものが出揃いつつある。そのためソニーは、'19年の売上高を厳しく捉え、前年比約2.9%のマイナスを予測しています。しかし、それでも半導体投資を緩めない。つまり、一時的なスマホの不振による減速を想定し、次のステージを見据えているということ。今後は、防犯カメラや自動運転のクルマ用のカメラなどを強化する段階に来ている。そのための投資なのです」
そうしたステージでブランドを確立させ圧勝するようなことがあれば、かつてウォークマンなどの大ヒットで脚光を浴びた強いソニーの再来となる可能性を秘めているという。
「東芝は売却で得た資金をどこに投下するか。IoT分野でもかなりの遅れをとっており、相当なスピード感が求められる」(同)
半導体事業での選択が、今後の二大企業の行く末を大きく左右しそうだ。