常に笑えるホラ話を 円城塔、新作『文字渦』を語る(2) (1/4ページ)

新刊JP

『文字渦』(新潮社刊)の作者、円城塔さん
『文字渦』(新潮社刊)の作者、円城塔さん

出版業界の最重要人物にフォーカスする「ベストセラーズインタビュー」。

第102回となる今回は、新刊『文字渦』(新潮社刊)が話題を読んでいる円城塔さんが登場してくれました。

『文字渦』はその名の通り「文字」への偏愛と奇想が渦巻く作品集。「こんな字あるの?」と驚いてしまう漢字や、所狭しと並ぶルビ、文字でできたインベーダーゲームなど、作品のストーリーだけでなくめくったページのビジュアルにも圧倒されます。

今回は、2007年のデビュー以来「小説」の概念を揺さぶる作品を世に出し続けている円城さんに、『文字渦』のこと、あたためているアイデアのこと、そして仕事や小説のことなど、広くお聞きしました。(インタビュー・記事/山田洋介)

■文字への偏愛と奇想の書『文字渦』を生んだ円城塔の頭の中 ――「文字」というテーマは普遍的ですが、身近すぎてかえって強い関心を惹かないものかもしれません。いかに読み手に届けるかというところで考えていたことはありますか?

円城:基本的には笑ってもらえればいいと思っています。アイデアとしてはもっと過激なものもあって、中国がチベット語の文字コード領域を中国語の文字コードで上書きしてしまう話などを考えていたのですが、怖いからやめました。中国に入国できなくなったりしそうなので。

その点、閻連科(えんれんか)などは、昔の話を書いているから捕まりはしないにしても、中国国内で禁書になるような作品を書き続けていてすごいなと思いますね。文学者として国家権力と戦えといわれたらそういうことをするしかないのかもしれませんが、僕は嫌です(笑)。

――もともと研究者をされていたということでお堅い方を想像していたので、笑わせようと思って書いていることには驚きました。

円城:よく「笑うんですか?」と聞かれますけど、普通に笑いますし、「笑えるものを書こうと思っている」といつも言っているのですが、なかなか信じてもらえません。

笑えるホラ話を書いているつもりなので、あまり真面目に捉えられても、と思うことはあります。だって、今回の本にしても明らかに変な話じゃないですか。

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