語呂合わせで名歌が変貌!思わずクスッと笑ってしまう百人一首のパロディ作品を紹介 (3/3ページ)
吸ひものを こぼした人の 気の毒さ 我が衣手は 露に濡れつつ
(『芝居百人一首』/天保3年(1832)年)
下の句は元歌のままなのに、上の句を変えることで、全体的にコミカルな歌に変身させてしまうユーモアが光ります。
これらの他にも、近世後期の『百人一出拭紙箱』のような思わずドキッ!とする「ちょっとオトナの百人一首」も存在するなど、パロディ百人一首は実にバラエティに富んでいます。『百人一首』という名は、すでにイチ歌集の枠を超えたブランドを確立していると言えるでしょう。
【参考文献】
『百人一首の正体』吉海直人・著(平成28年10月28日 初版発行/角川文庫)
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