ボクサー・山中慎介×バキ・板垣恵介の初対談、最強論を語り尽くす (3/4ページ)

日刊大衆

奥さんの沙也乃さんに聞いたんだけど、山中選手は試合に行くときでも、ジムに行くときでも、(テンションが)ぜんっぜん変わらないですよって言ってたの。

山中 普通、ボクサーって、試合前はけっこうピリピリしますからね。

板垣 そうだよ。減量するとピリピリするのは、半ば常識じゃない。具志堅(用高)さんも現役だった頃、試合前の減量中に、行きつけの喫茶店で1杯の水だかコーラだかを鬼気迫る顔でジーッと見てたって。具志堅さんですらそうなのに、変わらないってすごいよ。

山中 僕は結婚して子どもが生まれて、男として強くなれた部分もありますね。ボクシングを仕事と思えるようになったんです。家族を食べていけるようにしないといけない。それは僕の結果にかかっているわけですから。

板垣 太平洋戦争のときにね、若くて体力のあった若い男のほうがバタバタ死んで、生き残ったのは既婚者だったって聞いてる。俺も漫画家デビューが32歳で遅かったけど、家族がいて、絶対に潰れられないから、当たり前に頑張ったし、当たり前に頑張れた。それに、当時、俺の親父が倒れてさ。これで俺が潰れたら全員が潰れる状況だったんだ。でも、俺はそのとき、面白いことになってきたって思えたんだよ。当時の担当に「ここから這い上がれたら、絶対にカッコイイぞ」って言った覚えがある。

山中 そういう後のない危機感は、僕も常に持っていました。プロデビューの時点で、1敗したら引退しようって考えていましたから。結局、2つの引き分けはあったけど、チャンピオンになってからも常に危機感を持ち、それを楽しんで試合に臨めました。だから、強くなれた部分はあったと思います。僕は追い込まれなきゃダメなタイプなので、試合も強い相手と組んでもらうようにしていましたね。

板垣 山中選手は、なんか急に強くなって目立ち始めた印象があるんだよ。

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