“史上最高のコンサルタント”が教える、成功のカギを握る8つの考え方 (1/2ページ)
世界中の経営者に影響を与えた経営学者といえば、ピーター・F・ドラッカーだ。
日本でも多くの信奉者がおり、“もしドラ(『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』)”旋風で経営学を知らない人にもその名は広がっている。
しかし彼は経営学者とは別の顔も持っている。それが「史上最高の経営コンサルタント」というものだ。
大学院生時代にドラッカーに師事し、現在は大学教授やコンサルタントとして活動するウィリアム・A・コーエン氏は『ドラッカー全教え 自分の頭で考える技術』(井口耕二訳、大和書房刊)において次のように述べる。
彼が実際どのようにコンサルティングをしていたのか、については、世の中にほとんど知られていない。いや、そういう意味では、彼がどういうアドバイスをしたのか、あるいはしなかったのかについても、ほとんど知られていない。耳を傾けてくれる人には本人が語っているのだが、彼の着想はすべて、コンサルティングの現場で得たものだ。(p.22より引用)
ドラッカーにとって、実は顧客やその組織は格好の実験室だった。問題は机の上ではなく、会社の中で実際に起きている。いくつものパターンから原理を掴み、経営の本質を導き出し、現実のビジネスに応用していったのだ。
■成功の鍵を握る8つの項目とは?本書『ドラッカー全教え』は、そうしたドラッカーのコンサルタントとしての側面にスポットを当てながら、ビジネスにおいてより実践的な考え方を分かりやすく噛み砕いて解説している。
「何よりもマーケティングを最優先する」「5つの質問で問題を客観視する」「『みんなが知っていること』を疑う」など、通読することでブレがちなマネジメントの方針を定めることができるだろう。
それだけではない。著者のコーエン氏は本書の終盤で、ドラッカーの足跡を辿りながら、成功の秘訣のヒントを8つにまとめている。これは非常に示唆に富む8項目となっているので取り上げたい。