歯の治療が頭痛や肩コリの原因となる? 咬み合わせの名医がたどりついた「舌」の重要性 (4/5ページ)

新刊JP

歯のことだけをやっていたときは、不定愁訴の改善率は65%で止まってしまったのですが、舌やあごに着目するようになってからは、徐々に改善率も伸び始め、今は85%以上に上がっています。(※ 改善率の数値は、安藤歯科クリニックでの患者アンケートに基づく)

■現代人の「あご」の変化から起こる「舌ストレス」 ――ご著書の中では「舌ストレス」について警鐘を鳴らしておられますが、舌がストレスを受けてしまう原因はなんなのでしょうか?

安藤:歯は普通、真っすぐ立っていますよね。それが内側に倒れこむように生えていると、歯が常に舌に触れている状態になります。舌は非常に敏感な器官なので、何かに触れていると緊張してしまいます。それが「舌ストレス」の原因です。

現代の日本人はこの50年で、平均して10センチ以上も身長が伸びているんですね。
その理由は「食事の富栄養化」です。それによって歯も昔に比べて大きくなっているんです。きれいな歯並びをしていても、歯そのものが大きくなっているので、舌の収まるスペースは狭くなっている。だから、舌ストレスが起こりやすい状態になっているんです。

さらに問題なのは、現代人はあごの形が変わってきているということです。

現代人のあごは、3つのタイプに分かれます。
歯並びのアーチが円に近い楕円で、歯もしっかりと直立している「ヒト型(ヒューマンスケール)」。歯のアーチがV字で奥歯が内側に倒れこんでいる「イヌ型(ドックスケール)」。イヌ型よりも歯のアーチがさらに狭いV字になって、歯並びも非常に悪い「チンパンジー型(チンパンジースケール)」。この3つです。

当院の238人の計測データでは、ヒト型のあごを持っている人は、現代人の約7.1%。イヌ型が68.2%。チンパンジー型が24.7%です。
歯のアーチがイヌ型やチンパンジー型の人は、舌の収まるスペースも狭くなるので、必然的に舌ストレスも受けやすくなります。

さきほど、現代人の歯は大きくなっていると言いましたが、それに対して、舌の大きさというのはあまり増減がないんです。だから、どのタイプの人でも、同じくらいの大きさの舌が、その空間に収まっています。

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