世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 ★第291回 北海道の「再開発」が必要だ (2/3ページ)

週刊実話

当初の時点で苫東厚真2、4号機の停止をカバーすることさえできれば、その後のブラックアウトにつながる負荷遮断の連鎖は起き得なかったのである。泊原発を稼働していれば、今回の全道ブラックアウトには至らなかった。データを見る限り、確実だ。

 ところで、2018年第1四半期の大手電力会社の決算を見ると、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力の4社が赤字になっている。理由は全社とも同じで、原発停止や原油価格の上昇による火力発電の燃料費増加の影響だ。

 北海道電力は黒字を確保しているが、泊原発を動かせない状況で、かつ自然災害が多発し、老朽化した発電機や震災被害を受けた発電機を動かしつつ、厳冬期を迎えることになる。泊原発が稼働すれば、老朽化した火力発電機の大々的なメンテナンスに入れるが、現状ではそれは不可能だ。老体であろうとも、フル稼働である。

 さらに一つ、北電並みにピンチに陥っているのが、JR北海道である。'16年度、'17年度と2年連続の赤字に落ち込んだJR北海道は、資金ショートで列車運行が不可能になるとして、'30年度までの長期支援を政府に求めた。国土交通省はJR会社法に基づき、政府の経営監視を強化する監督命令を出すと共に、'19年度、'20年度の2年間で400億円超の財政支援を行うことを決定。

 そもそも、人口が少ない(厳密には人口密度が低い)北海道や四国までをも独立させる形で「国鉄の分割民営化」を行ったことが間違いなのだ。JR東海やJR東日本のように、絶対にもうかる地域はいい。とはいえ、鉄道という公共インフラは「そういうもの」ではない。

 東海や東日本の利益を北海道や四国に注ぎ込んででも、国家全体で鉄道ネットワークを維持する。これが本来の公共サービスの在り方なのだが、例により「カネ、カネ、カネ」というわけで、JR東海やJR東日本は「不採算部門の切り離し」に成功し、儲かる会社に生まれ変わった。逆に、見捨てられた形になったJR北海道やJR四国は、遅かれ早かれ赤字が始まり、存続が困難になるに決まっていた。

 さて、現在の北海道は相次ぐ自然災害により、鉄道ネットワークが揺らぎ、同時に「電力の不安定」という重しまでをも背負っている。

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