アニソンで読み解く「平成」時代:価値観にとらわれない「新人類」と涼宮ハルヒ(平成18年) (1/2ページ)

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安倍晋三首相(2017年9月撮影)
安倍晋三首相(2017年9月撮影)

無意識のうちにその年の世相とぴったりマッチするヒット曲は意外とある。もちろん、直接的な関係は皆無である。しかし、当時の世相や出来事を思い返すと、なんとなくそれを彷彿とさせるような歌詞の曲があるものなのだ。

私は今回、平成18年(2006年)を代表する曲として、その年放送のとあるアニメのOP曲を選んだ。どんな曲がモチーフになっているのか想像していただければ幸いである。

パラダイム・シフトが起きた「変革」の時代

平成18年(2006年)は既存の価値観及び概念が取り払われた、いわばパラダイム・シフトが起こった時代のように感じる。従来とは異なる新しい価値観を有する若者たちのことが「新人類」と呼ばれ、新語・流行語大賞に選ばれたのが昭和61年(1986年)だが、それから20年となる節目のこの年には、「新人類」以上に新たな価値観が普及した時代だったと言えるだろう。

安倍内閣の発足と「美しい国」
安倍晋三首相(2017年9月撮影)

平成18年9月、小泉純一郎の総裁任期満了に伴い、自民党総裁選が行われた。その結果、安倍晋三が総裁となり、9月26日、第一次安倍内閣が成立した。安倍氏は就任直後の記者会見では小泉内閣の下で行われた構造改革の続行を宣言したが、それと同時に強調されたのが「美しい国」のキャッチフレーズ。同名の書籍は総裁選前の7月に発売されていたが、本格的に使用されたのは総裁選を経て総理大臣に就任した頃からであった。安倍氏は憲政史上初の第二次世界大戦後(1954年)に生まれた総理大臣である。前述の「新人類」はおおよそ1950年代後半から1960年代後半までに生まれた者を指すので厳密には該当しないが、総理大臣に再登板した平成24年(2012年)以降のドラスティックな政策を見ていると、やはり既存の価値観にとらわれていない様にも思える。前任の小泉氏は「ワイドショー型内閣」との異名をとったが、当然のことながらワイドショーはテレビによって視聴者に届けられる一方通行のメディアである。平成18年はメディアが双方向になった時代でもあった。たとえば、SNS運営会社大手のミクシィが上場したのはこの年であるし、ツイッターのサービス開始もやはりこの年だ。

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