まだ形成段階にある巨大な超銀河団が発見される。若い宇宙で発見されたものとしては最大の構造(イタリア研究)
image credit:ESO/L
若い宇宙の闇の中には、未だ発見されぬ数々のものがある。が、今回のものは抜群であろう。
ビッグバンから23億年しか経っていない110億光年先の宇宙に、まだ形成段階にある巨大な超銀河団が発見されたのだ。
これほどまでに若い宇宙で発見されたものとしては最大の構造である。
その質量は今日の宇宙で知られている最大の構造にも匹敵。データからは、太陽の100万×10億個、すなわち1000兆個分以上にも相当することが示唆されている。
この巨大構造は、ギリシャ神話の神ウラヌスとガイアとの間に生まれた12人の巨人の1人にちなみ、「ハイペリオン」という愛称で呼ばれている。
・まだ形成途中にある巨大なハイペリオン超銀河団
「これほどまでに巨大な構造の赤方偏移が特定されたのは初めてのこと」と発見者であるイタリア、ボローニャ天体物理学・宇宙科学天文台のオルガ・クッチアティ氏は話す。
可視宇宙における超銀河団の数は1000万個以上と試算されているが、これまで地球からハイペリオンまでの距離の半分ほどのところですらも1つとして発見されたことがなかった。
ところが今年前半、40億光年先にこれまでで最も遠い宇宙にある超銀河団の存在が明らかになった。
このハイペリオン超銀河団は、まだ形成される途中にある原始超銀河団で、ハッブル宇宙望遠鏡VIMOSウルトラディープフィールドサーベイやzCOSMOSサーベイのデータから位置と構造の3次元ボリュームが特定された。
その結果、ハイペリオンはかなり複雑な構造をしていることが判明。

image credit:ESO/L
大きさは、地球に近い場所にある超銀河団(ちなみに地球が位置するおとめ座超銀河団には、47000以上の銀河があるとされる)と似ている。
しかし、構造は少々異なり、少なくとも7ヶ所は密度の高い領域があり、それらは銀河のフィラメントでつながっている。
・ハイペリオン超銀河団の質量分布
「地球に近いところにある超銀河団は、もっと質量が密集するように分布しており、はっきりとした構造をしています。ですが、ハイペリオンの質量分布は、銀河が緩くまとまってつながりあういくつもの塊のような感じで、もっとバラついています」とアメリカ・カリフォルニア大学のブライアン・ルモー氏は説明する。
研究チームの見解では、この違いは、地球に近いところにある超銀河団は、おたがいを引き付け合うだけの時間が経過していることが原因である。つまり、長い間に重力によって銀河同士がしっかりと結びつくようになったということだ。
ということは、ハイペリオンも数十億年単位で見れば、同じような構造になる可能性が高いと考えられる。

image credit:ESO/L
「ハイペリオンを理解して、他の似たような最近の構造と比較すれば、過去に宇宙がどのように発達して、未来にどのように進化するのかヒントを得ることができるでしょう」とクッチアティ氏。
まさに「宇宙の巨人が巨大構造の歴史」を明かす手助けをしてくれるのだ。研究は『Astronomy & AStrophysics』に掲載される。
The Hyperion Proto-Supercluster
References:Largest Galaxy Proto-Supercluster Found | ESO/ written by hiroching / edited by parumo