将棋盤の裏に刻まれた「血溜まり」に隠された武士たちの覚悟 (2/3ページ)
将棋盤の裏に刻まれた凹みが上を向く状況……と言えば、考えられるのは「将棋盤を引っくり返した状態」。
かつて、戦の代わりとして生み出された将棋は、時として負ければ「国を失う」リスクがありました。
となれば、勝負がいよいよ不利となった者が、つい逆上して将棋盤を引っくり返してしまうこともあったでしょう。
すると、この凹みに刃が植えてあって、将棋盤を引っくり返した者の髻(もとどり。髪)をつかんで前に引き倒し、その胸に刺さった刃から血が伝って溜まったことから「血溜まり」と呼ばれ、凹みの中に刻まれた突起は刃の名残と伝わっています。
たとえボードゲームとは言え、将棋は国や御家の命運を賭けた真剣勝負ですから、それを投げ出した者に対しては相応の制裁があって然るべき……そんな武士たちの価値観が表わされています。
真剣勝負に口出し無用!他にも将棋は「口出し無用」として、口出しした者の首を刎ねてこの凹みに載せる習わしがあったとも言われます。
しかし、それだと対局が終わるまで将棋盤を引っくり返す訳にいかず、首を載せるのを待たねばなりません。
どうせ戦で殺されたと思えば、自分の命と引き換えに口出しをしても、それで将棋≒戦に勝てるのであれば手柄となるため、両陣営が口出し合戦を始めかねず、実際のところは疑問です。
