名物ブログの管理人は大体大HC。同大戦に見る「駆け引き」のおもしろさ。 (2/4ページ)

ラグビーリパブリック

昨季は大学選手権出場を逃しているが、強豪高校出身者を集め一昨季全国4強と実績を残している。かたや3度の全国4強入りを誇る大体大は、昨季まで下部の関西大学Bリーグに在籍。実績や経験値で相手に下回っていたかもしれなかった。それでも挑戦者は、時間帯によっては試合を支配できた。

 立ち上がりから接点周辺で、鋭い出足の防御を繰り出す。井上いわく「同大さんは強い外側のBKを活かすため、内側のFWが前に出る。それを押し返したら次のディフェンスが楽になる。(一方で)内から外に追いかけるような形になっては間に合わない」。攻めては時間帯によってラインの深さを変えながら、意図的に防御を切り崩してトライを奪っている。

 まず興味深かったのが、一時12-5と勝ち越しに成功した前半25分の一本。左右にボールを揺さぶるなかでできた接点周辺の穴を、SHの赤堀風雅が仕掛けとパスで攻略。LOの山本剣士がフィニッシュを決めたこの場面を、赤堀は「同大のディフェンスが外側にいる。外側でゲインを切ったら、SHからの速い球出しでゲインを切ることを意識した」と振り返った。

 12-17とリードされていた後半は、「近、深のラインが作れた」と赤堀。SHの後方に立つFWのユニットをやや深めに設定。勢いのある突進により、ボールを保持する。7分、ハーフ線付近左で相手キックを捕球すると、右方向への折り返しから山本が敵陣22メートル線手前中央まで進む。次は前がかりになった相手防御の裏に、ゴールラインとほぼ平行なパスを次々と通す。最後は左タッチライン際のWTB、田中晴哉がインゴールを割った(17-17)。

「前まではチームのシステムはなかったけど、去年からそのあたりを固めてゲームがうまいこと運べるようになった。そこに楽しさがあり、今年はそのクオリティを求めるようにしています」

 赤堀がこう話すかたわら、井上は「選手たちが一戦一戦、自覚を持って課題を解決してくれている」と話す。

 序盤戦に組まれた上位校との対戦では大量失点に泣いてきたが、11日には大阪・鶴見緑地球技場での関西大戦を17-14で制した。試合中に攻め方を変えた同大戦も、「選手たち同士で手ごたえをつかみながら、どういうアタックをしようかと話をしていた」。

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