矢沢永吉&長渕剛「2大カリスマ」成り上がり秘話 (3/3ページ)
翌年、『巡恋歌』で見事再デビューを果たしているが、長渕の神髄である“負け犬が闘志をむき出しにするかのようなメッセージ性”は、デビュー当時の挫折体験が少なからず影響しているはずだ。
それに比べ、矢沢は確かにキャロルで順風満帆のスタートを切ったかに見えるが、メンバーとの確執により、わずか2年半で解散することになり、1975年にソロデビューしている。しかし、キャロル時代の意匠を全否定するかのようなバラード中心の曲構成に、さんたんツアーの評判は惨憺たるものだった。
矢沢の自伝『成りあがり』には、〈一回目、散々な目に遭う。二回目、落としまえをつける。三回目、余裕。〉の名言があるが、このメッセージは、ソロデビュー時に辛酸を舐めた経験から生み出されているのだ。
矢沢はこの言葉通り、その後、『時間よ止まれ』と『成りあがり』がミリオンセラーとなり、きちんと“落としまえ”をつけたのである。
長渕もまだ無名に近かった頃、吉田拓郎のコンサートに特別出演し、観客から「帰れコール」を浴びるという散々な目に遭っている。しかし、翌年リリースした『順子』がオリコンチャートの1位を獲得し、一躍トップシンガーの仲間入りを果たした。しかし、そこに安住しないのが長渕という男である。
さらに現在発売中の『週刊大衆』12月10日号では、矢沢、長渕という2大カリスマの栄光と挫折、そして壮絶な生き様を追う――。
取材・文/浅野暁