どうすれば伝わる? プロが考える接客という仕事の指導方法 (2/5ページ)
教官として客室乗務員の訓練生たちの指導にあたっている中で、「これを言うと、きっと泣かれるだろうなあ…」と思う言葉もありました。けれども、それを伝えないと改善できないのであれば、それは心を鬼にして指摘するしかありません。
――厳しいけれども、成長のため。七條:はい。お客さまの前に立つわけですからね。また、その訓練生がどういう気持ちで仕事と向き合っていたのかが大事なのです。自分の失敗やミスを素直に反省していたり、ショックを受けている訓練生に追い打ちをかける必要はなく、「訓練で失敗したことで多くのことに気づけて良かったのですよ。もう本番では失敗しないはずです」「一生懸命準備してもそういうときはあります。次、がんばりましょう!」と励まします。問題は、自分のミスを素直に認めることなく自分以外の責任にする訓練生や後輩がいたときですね。
――なるほど。まず他責に向かってしまう。七條:たとえば、本来は自分が確認していれば防げたミスなのに、まず「前に使った人がそのままだったので…」と言う。その気持ちは分かります。けれども、まずは「自分の確認ミスでした」ですよ。詳細を聞かれたならば、「前任者がやっていたので、私も確認を怠ってしまいました」と、まずは自分のミスを認めて反省することが大事です。自己保身の言い訳をする場合には、厳しいようですが「前任者だけの責任ですか?」と怖い顔でいうこともありました(笑)
――他に七條さんの中で意識されていたことはありますか?七條:訓練生を注意した後です。そのあとで指導を受けた訓練生がどんな行動を取るか、どれだけ変化を見せるか。そこは見逃さないように意識していました。指導直後にはまだ完璧でないとしても些細なことでも改善していれば「変わりましたね!」「前よりも良くなりましたね!」と声をかけたり褒めたりすることを忘れないようにしていました。他には、かなり厳しいことを伝えた場合には、その訓練生と仲良くしているクラスメイトにフォローをお願いしたこともありましたね。
「こうした方がいい」と伝えるのは簡単です。けれども、それを腑に落とさせて自らの意思で行動に向かわせることにとてもエネルギーを使いました。