世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 ★第296回 真の「将来世代の悲劇」 (2/3ページ)

週刊実話

その政府が財務省の圧力で緊縮路線を突き進み、財政拡大や減税による需要創出には乗り出さない。挙句の果てに、
「まだまだ緊縮が足りない」
 と、審議会からクレームをつけられているというのが日本の現実なのである。

 とはいえ、財務省や審議会がどれほど情報を歪めようとも、我が国に「財政問題」など存在しない。何しろ日本政府の負債(主に国債)は100%日本円建てで、しかも量的緩和の影響で、日本銀行が45%超を保有しているのである。日銀は政府の子会社だ。日本政府は、子会社からの借り入れについて返済や利払いの必要はない(別にやっても構わないが、自分が自分に借金返済や利払いをすることになる)。

 そもそも、日本の財政が本当に危機ならば、国債金利が上昇しなければならない。ところが、現実は下図の通りだ。

 日本の中央政府(いわゆる「国」)および地方自治体の長期債務残高は、’86年には200兆円程度だったのが、’17年には1100兆円を突破した。審議会に言わせれば「クニノシャッキンが5倍になった! 破綻しないはずがない!」のだろうが、金利を見て欲しい。日本国債(十年物)の金利は、バブル期には6%を上回っていたにも関わらず、その後は急落。現在は「ゼロ」近辺で推移している。

 無論、日銀の量的緩和の影響もある。とはいえ、日本の国債金利は黒田東彦氏が日銀総裁に就任する’13年の前から低迷している。

 なぜ、財政破綻、財政破綻と騒がれる日本国債の金利がここまで低いのか。ちなみに、日本国債の金利は、世界でスイスに次いで低い。世界第2位の超低金利なのだ。

 「なぜ、日本国債の金利がここまで低いのか」と書いたが、実のところ理由は明白である。もちろん、デフレだからだ。デフレの国では、企業は設備投資をせず、銀行融資を受けない。また、家計もローンを組んでまで住宅を建てようとは思わない。

 銀行の仕事は、預金を集めることではない。というよりも、前回解説した通り、預金とは「銀行の貸し出し」により創出されるカネだ。銀行はカネを貸し出すことで、金利収入という「所得」を稼ぐことができる。銀行の仕事は「カネを貸すこと」なのだ。ところが、デフレの国では民間がカネを借りようとしない。

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