この中毒性...、長崎県民しか知らない? 超やみつき「ラッキーチェリー豆」 (2/3ページ)

Jタウンネット

袋からは豆の香ばしさ漂い、どこか懐かしさを感じる。

後ろの説明文を読むと植物油で揚げたそら豆に水あめ、生姜、砂糖などを煮た衣をつけている。早速食べてみると、あっさりとしつつもパンチの効いた甘さにもっていかれる。しなやかなスイングから強烈な弾丸ライナーを放つ元西武ライオンズの宮地克彦さんのバッティングのようだ。

鮮烈な甘さの打球に酔いしれていると三塁ベースを駆け抜けるように生姜のさわやかで柔和な辛味と芳香が口に広がって一気にホームへ生還してきた。

私以外のJタウンネット編集部の記者にも食べてもらった。全員初めて食べる味だが、第一声は口をそろえて

「甘い」

と漏らした。しかし、甘さの後の風味については意見が分かれS編集長は、

「とても美味しいね」

若手記者を引っ張る選手会長のN記者は、

「ちょっと酸味を感じる。この酸味がチェリーっぽい」

京都大学出身のO記者は、

「レーズンの酸味に近い」

と答え、それぞれ早速ラッキーチェリー豆の虜になったようだ。

美味しくて、長崎県の土産店には大抵置いている――。何故、あまり知られていないのか。

2018年12月10日、ラッキーチェリー豆を製造する藤田チェリー豆総本店の藤田浩己代表取締役社長に対して、取材を行った。

基本的な情報も含めて謎が多いお菓子。その成り立ちから聞いた。

その歴史は古く1914年創業。ラッキーチェリー豆はその当時から販売されている歴史ある商品だ。元々は佐賀県鹿島市で操業しており、桜の名所で知られる鹿島市に因んで、

「鹿島中学の英語の先生が『チェリー』がいいんじゃないかと名付けられました」

と粋なエピソードを教えてくれた。また、ラッキーの部分については、

「食べた人に幸福が訪れるように」

との何とも優しい心遣いから来ているものだ。

1919年に現在も本社を置く長崎県島原市に場所を移した。ツイッター上の指摘通り、長崎県内の土産屋のほとんどに置いてある。長い歴史で県民にとっては欠かせない存在になっているようだ。しかし、編集部で聞いた通り県外の知名度は今ひとつ。関東で入手する方法を聞くと「百貨店でお世話になっています」とのことだった。

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