サントリーとの死闘の末に……。ヤマハ発動機の司令塔・清原祥「すごく悔しい」。 (2/2ページ)
しかし後半の得点は、日本選手権初の延長戦をもたらした、FB五郎丸歩の同点PGのみとなった。
延長戦でもサントリーの壁はなかなか崩れず、自陣でのアタックが続いた。SO清原は敵陣へキックを放り込むことにした。足が攣るほど疲労は溜まっていた。
「一発目(のキック)は左足が攣っていて、短くなりました。それが結果オーライで競れていました」
バウンドしたボールをWTBシオネ・トゥイプロトゥが捕球。ハーフ付近から攻撃継続。さらにフェイズを19まで伸ばしたところで、もう一本キックを蹴り込んだ。これが「裏目に出てしまった」(SO清原)。
サントリーのFB松島幸太朗に、キックカウンターで切り返された。そしてヤマハ発動機のFLクワッガ・スミスのプレーが反則(ホールディング)となり、決勝PGでの幕切れを迎えるのだった。
試合後、SO清原は高校の同期と言葉を交わした。
「あいつ(SH流)も『負け試合』と言っていましたし、僕らもサントリーに勝つイメージしかなかった。でも、なんですかね、監督(徳井清明監督/熊本・荒尾高)も喜んでいると思います。同じ舞台に立って」
またサントリーに借りができてしまった。
まだ3年目。敗戦から立ち上がり、また頂きを目指して歩んでいく。
(文/多羅正崇)