せんば山のタヌキの正体は徳川家康!?童唄「あんたがたどこさ」にまつわる異説を紹介 (2/4ページ)
歌詞を見る限り、複数名による問答形式の会話であることが推測されます。
肥後からきたおじさん達(イメージ)。
甲「あんたたちは、どこから来たのさ?」
乙「肥後国から来たのさ」
甲「肥後ってどこさ?」
乙「熊本のことさ」
甲「ふーん。熊本のどこさ?」
乙「『せんば』から来たのさ」
このやりとりで、甲は地元住民、乙は肥後国(あるいは熊本県)の「せんば」から来た、いわば「よそ者」であることが判ります。
つまり、唄の舞台は少なくとも肥後国の話ではなく(肥後の住民が「肥後ってどこさ?」と訊くのは、いささか不自然に過ぎます)、遠い他国……ちょうど関東あたりの話だったのかも知れません。
熊本の「せんば」と、川越の「仙波山」さて、唄でのやりとりは続きます。
甲「(せんば、と言えば)仙波山にはタヌキがおってね、それを猟師が鉄砲で撃ってね……(以下略)」
これ以降、甲がベラベラとおしまいまで喋り続けますが、これは子供が何か、自分の知っているワードに接したときに「僕知ってるよ。えーとね、えーとね……」などと、訊いてもいないのに喋り出すのと同じです。
つまり「せんば」という単語にピンときた子供が、自分の知っている「仙波山」について、先日見たのであろうタヌキと猟師の話をしたがったのでしょう。