五木寛之×椎名誠「僕たちはどう死ぬるか」(8)美田を残さず心の相続をする (4/4ページ)

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人事を尽くして天命を待つという言葉を、自分流に読んで、「人事を尽くさんとするはこれ天の命なり」というふうに読んで、自分の努力とかではなくて天命のようなものがあるのではないかという、得体の知れない思いが常に頭の隅にある。今日まで生きてきたのは、生きろと言われたんだと、死ぬときには死ねと言われるんだろうなあと思いつつね。

五木寛之(いつき・ひろゆき):1932(昭和7)年、福岡県生まれ。作家。北朝鮮からの引き揚げを体験。早稲田大学露文科中退後、編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、66年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞。76年『青春の門 筑豊編』ほかで吉川英治文学賞。主な著書に、『朱鷺の墓』、『戒厳令の夜』、『風の王国』、『親鸞』(毎日出版文化賞特別賞)、『大河の一滴』、『人生の目的』、『運命の足音』、『他力』(英文版『TARIKI』は2001年度BOOK OF THE YEAR・スピリチュアル部門)などがある。02年菊池寛賞受賞。また『下山の思想』、『生きるヒント』、『林住期』、『孤独のすすめ』などのほか、最新刊に『七〇歳年下の君たちへ』。

椎名誠(しいな・まこと):1944(昭和19)年、東京生まれ。作家。79年『さらば国分寺書店のオババ』でデビュー。『哀愁の町に霧が降るのだ(上・中・下)』(81~82)、『あやしい探検隊』シリーズ(84年~)、『インドでわしも考えた』などの紀行文、純文学からSF小説、写真集など、幅広い作品を手がけている。90年に映画『ガクの冒険』を監督し、91年には映画製作会社「ホネ・フィルム」を設立して映画製作・監督として『うみ・そら・さんごのいいつたえ』(91年)、『あひるのうたがきこえてくるよ。』(93年)、『白い馬』(95年)などを製作。90年、『アド・バード』で日本SF大賞を受賞。『岳物語』『犬の系譜』(吉川英治文学新人賞)、『家族のあしあと』『そらをみてますないてます』などの私小説系作品も多い。

「五木寛之×椎名誠「僕たちはどう死ぬるか」(8)美田を残さず心の相続をする」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2018年 12/27号椎名誠五木寛之作家エンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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