今見ている月の姿は1.3秒前の過去、太陽は8分前の過去。星空で過去を旅してみよう。 (1/3ページ)
我々の感覚は過去に囚われている。
雷がぴかっと光ると、数瞬の間を置いて、雷鳴が轟いてくる。過去を耳にしたのだ。
また目で過去を見てもいる。音は3秒で1キロ移動するが、光は1秒で30万キロ先に到達する。ゆえに3キロ先の電灯を目にしたとしたら、それは1ミリ秒の100分の1の過去を目にしたことになる。
もっと遠くに目をやればさらに昔に遡れる。あなたはその目で数秒前、数時間前、あるいは数年前の過去を目にすることだってできる。
望遠鏡を覗いてみれば、そこに広がるのは気が遠くなるような時間を隔てた過去である。
・今見ている月の姿は1.3秒前の過去
本気で過去を振り返りたいのなら、空を見上げることだ。
もっとも近い空の隣人である月はおよそ38万キロ離れており、その光が地球に届くまでには1.3秒かかる。つまりあなたが目にする月の姿は、1.3秒前の過去である。
月の姿はその程度の時間ではほとんど変わらない。しかし、宇宙のミッションで地球から月の宇宙飛行士と交信しようと思えば、1.3秒という遅れを実際に体感できる。
管制官の通信は月に届くまでに1.3秒かかる。つまり、そこにいる宇宙飛行士がどんなに早く応答したとしても、管制官が返事を受け取るまでには2.6秒はかかるということだ。

・今見ている太陽は8分前の過去
太陽はおよそ1億5000万キロ離れており、地球から見るそれは8分前の過去の姿だ。
一番近い惑星である金星や火星でさえ、数千万キロの彼方であり、したがって数分前の過去を見ていることになる。