天才テリー伊藤対談「安田純平」(3)どんな辛い状況も人は慣れてしまう (2/2ページ)
安田 狭い独房でも、まだルールが緩かった頃は朝起きて「今日は洗濯をして、そのあとは‥‥」なんて1日の予定を考えたりしていて、ふと「独房生活が当たり前になっている」と気づいて、まるで受け入れているかのようで、自分でもこれはショックでした。
テリー 絶望の中でも、人は何か喜びを見つけていくんでしょうね。
安田 そうかもしれないです。運ばれた食事に肉がたくさん入っていると、「今日は、彼らも機嫌がいいらしいな」なんて、うれしかったりしましたから。帰す気があるかどうかのバロメーターにもなるので、大事な情報なんです。
テリー アサ芸らしい質問もしたいんですが、こういう極限状態だと、性欲はどうなんですか?
安田 う~ん、身動きできなかった時期は、ほとんどなかったですね。興奮してしまうと呼吸のリズムも変わって、思わず身動きしちゃうかもしれない(笑)。そもそもイスラム圏は性描写には厳しくて、例えば映画「タイタニック」でヒロインが胸の谷間が見えているドレスを着ているんですが、それすら彼らにとってはエロ扱いなんです。まだ拘束が緩い時期にそれをテレビで見ていたら、怒った彼らにチャンネルを変えられちゃいました(笑)。
テリー へぇ、じゃあAVなんか見たら大変なことになりますね。
安田 あと、日本の活字が読みたくて、彼らのパソコンでネットの電子図書館にアクセスしたことがあったんですが、そこの広告である男性週刊誌の表紙が出てきたんです。やっぱり表紙の女性の胸の谷間が強調されているので、これも大騒ぎになりましたから。
テリー それがアサ芸の人妻ヌードだったら、安田さんの拘束が10年延びていましたよ(笑)。