伝説の大投手・村田兆治「メジャーリーグが一番欲しがったのは…」マサカリ直言で野球界を一刀両断! (3/5ページ)

日刊大衆

俺のフォークはスピードがあるから、キャッチャーの視界からも消える。当然、捕球は難しい。でも、だからといって後逸したら、空振りを奪っても意味がない。当時、そんな俺のフォークを、体を張って受け止めてくれたのが、袴田英利だった。あいつとのバッテリーはノーサインで投げるレベルまで行ってたからね。そのほうが俺もテンポよく投げられるし、相手チームにサインを盗まれる心配もなくなる。

 でも、サインなしでフォークを捕るなんてプロのキャッチャーでも至難の業だよ。あいつが何度も指を脱臼しながら、必死で練習していたのを俺は知っている。ただ、打たれて負けると、「おまえのキャッチングが悪いからだ」なんて、袴田に当たることもあった。ストレス発散の相手にしてしまっていたんだ。

 若い頃は俺も血気盛んだったからね。野手のエラーで点を取られたりすると、頭に血が上って、ベンチに戻るや扇風機を投げてぶっ壊したこともあった(笑)。でも、袴田は、そんな俺に黙ってついてきた。本当に愚痴をこぼしたかったのは、ノーサインで球を捕らされたあいつのほうだったと思う。もちろん俺も感謝していたし、お互い信頼関係があったということ。

 余談だけど、いまだに袴田からはお中元やお歳暮が届くからね。あいつも俺への感謝を忘れていない(笑)。

■野村克也監督に攻略されて

 全盛時の村田氏のフォークボールに対し、他チームも手をこまねいていたわけではない。フォームのクセをつかみ、攻略の糸口を見つけたのは、南海の野村克也監督だった。

村田 俺がフォークを投げるかどうか、最初に見破ったのはノムさんだったね。マサカリ投法では、右腕を下に降ろした瞬間、ボールの握りが丸見えになる。南海はフォークの握りが見えると、三塁コーチが口笛を鳴らしてバッターに教えていたんだよ。

 俺のフォークは、ほとんどが低めのストライクゾーンからボールになる。つまり、フォークと分かれば振らなければいい。

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