阪神 矢野監督「最大の敵」となる掛布SEAの現場関与 (2/2ページ)

週刊実話

つまり、フロント幹部、ファンに最も影響力を放つことのできるOBともなったわけだ。そんな掛布氏の力を知ってのことか、やはり昨年末、こんなことが起きていた。
「12月1日にOB総会・懇親会が開かれました。そこで掛布氏は、年長のOBだけではなく、後輩たちにも挨拶をしていましたが、岡田彰布氏とだけは会話していませんでした。2人とも意識して避けていたのかもしれません」(同)

 岡田氏は優勝を知る“最後の指揮官”でもあり、OB派閥内で最も力があるとされる吉田義男氏に可愛がられてきた。OB連中は、外様の矢野監督とは表面上のお付き合い。だが、掛布氏が強い権限を持つことに対しても、面白くない感情を抱くと見られる。
「掛布氏は矢野体制において、SEAの肩書でキャンプ視察などを続けていきます。矢野監督は若手を育てていくつもりですが、鳥谷にあえてショートへの再コンバートを許したのは『死に場所』を与えるため。北條史也がショートのレギュラーを獲るとの意見が強いものの、このまま終わる男ではありません。鳥谷が復活した暁には、矢野監督と掛布氏の名前が挙げられるでしょう」(ベテラン記者)

 大山悠輔、陽川尚将、中谷将大、髙山俊、江越大賀ら期待の若手は、少なからず二軍監督時代の掛布氏の影響を受けている。矢野監督の若手起用策が的中すれば、掛布氏の“1人勝ち”ということもあり得る。そのとき、OB会の最大派閥である吉田派の岡田氏は、どう打って出るか…。
「矢野監督は監督就任にあたり、最初に相談したのが金本前監督です。金本氏と掛布氏の衝突も知っていますし、掛布氏の現場関与は面白くないでしょうね」(前出・在阪記者)

 これまではOB連中と現場の衝突だった。OB会も複雑な人間模様を見せてきた。毎度のお家騒動は新たなステージに進んだようだ。
「メディア露出度の高い阪神OBは巨人の大型補強に批判的ですが、遠回しに矢野体制を支えるフロントへの当てつけとも言われています。阪神もジョンソン、ガルシア、マルテの新外国人選手のほか、FAでオリックスの西勇輝を獲得しています。生え抜きの野手を見てください。鳥谷以降、レギュラーを獲得した野手は出ていません。昨季、捕手の梅野隆太郎が規定打席に到達しましたが、生え抜き捕手としては’85年以来ですよ」(前出・ベテラン記者)

 若手を使おうとする矢野監督だが、一方で大型補強にも手を出している。OBたちが心の底から応援できない理由はこのへんにある。もっとも、その若手が活躍すれば、最大派閥の岡田氏は面白くないわけだが…。

 いずれにせよ、矢野監督が雑音を封じるには、勝って勝って、勝ちまくるしかないようだ。

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