あのかわいらしい鳥に一体何が?シジュウカラが他の鳥を襲い脳を食べていたことが確認される(英研究) (1/3ページ)
スウェーデンの国鳥でもある、マダラヒタキ(学名 Ficedula hypoleuca)という小さな鳥は、餌を求め、子供を作るためにアフリカのサブサハラからヨーロッパへと大旅行を行なっている。
いつもなら特に問題なくヨーロッパに渡り、数ヶ月後には子供を連れてアフリカに行く。
ところが最近になって、シジュウカラと鉢合わせするようになり、彼らの営巣地が占拠されているというケースが確認されるようになってきた。
シジュウカラはマダラヒタキを追い払うだけでなく、彼らを襲い、殺して脳を食べることすらあるという。
この陰惨な事件が起きるようになった理由は何なのか?
どうやら地球温暖化と関係があるようだ。温暖化により両種の繁殖の時期が重なってしまったのだ。
・陰惨な事件の裏側にある温暖化
シジュウカラは通常マダラヒタキよりも2週間早く繁殖を始める。ところが温暖化のせいでその時期が重なりつつあるようだ。
シジュウカラは1年中ほぼ同じ地域にとどまる鳥で、ヨーロッパ全域に生息している。一方、マダラヒタキは渡り鳥で、アフリカとヨーロッパを行き来する。
1980年代以降、春が以前より暖かくなったことが原因で餌となるムシが増える時期が早まり、彼らの4月の渡りのシーズンが少しずつ早まってきていた。
これ自体はマダラヒタキにとってさしたる問題ではなかった。
マダラヒタキのオス
だがシジュウカラの繁殖シーズンもまた流動的だった。4月の少し寒い時期に繁殖シーズンが遅れるようになったのだ。
このために両者の繁殖シーズンが重なり、縄張り意識的な意味から、暴力的な事態に発展するようになってしまったのだ。