免疫学者が免疫系の仕組みを日常生活や職場に例えてわかりやすく説明。海外版、はたらく細胞 (3/4ページ)

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T細胞


 これは胸の前にある胸腺という部分で行われる。このいわば学校のような場所でT細胞は試行錯誤を繰り返し、それに対する批判や助言を受けながら、自分が”見た”もの(自分の体の分子や外部からの病原菌など)に適切に反応するよう己を鍛え上げる。

 重要なのはこの過程では、賞賛と批判のバランスがきちんと取れていなければいけないということだ。どちらかばかりに偏ってしまってはダメなのだ。

 多様な免疫系チームの中において、免疫細胞は生徒であり教師である。教育は樹状細胞とT細胞とB細胞とが交わす濃密な議論として行われる。

 こうした支援体制が整った環境の中でB細胞はフィードバックを受けながら、感染症に対する理解を深め、各病原菌に特化した抗体を作り上げる。


・3. 状況に応じて柔軟に対応

 免疫チームは状況に応じて対応する大切さを理解している。それゆえに、あらゆる感染症に通用する最大公約数的なアプローチは採用しない。

 かわりにウイルス、かび、細菌、寄生虫といった各種病原菌に完璧に対応する柔軟性を備えており、免疫チームはそれぞれの状況に応じてさまざまなツールや戦略を用いる。

 ここで重要なことは、危険を排除するための攻撃反応を細心の注意を払ってコントロールせねばならないということだ。

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 あまりやりすぎてしまうと体の無関係の場所が巻き添えを受けてしまい、アレルギーや喘息といった副作用が生じかねない。反対に弱すぎれば、免疫不全や慢性的な感染症、あるいはガンになる恐れがある。
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