木村拓哉『マスカレード・ホテル』に忍び寄る「月9の亡霊」 (1/3ページ)

日刊大衆

木村拓哉『マスカレード・ホテル』に忍び寄る「月9の亡霊」

 こんにちは! 映画業界にはなんのしがらみもないので、好き勝手な悪口を書けるのが唯一の武器のコラムニスト・中井仲蔵です。今回はお忙しい皆さんに代わって、話題の映画『マスカレード・ホテル』を観てまいりました。

 原作は、『ガリレオ』シリーズをはじめ、様々なヒットのある東野圭吾氏の同名小説です。

 とある高級ホテルに、連続殺人事件の次なる犯行の予告がなされ、そこに敏腕刑事がホテルマンを装って潜入捜査する……というのが物語の骨子で、その刑事役は、『ラブジェネレーション』(1997年)や『プライド』(2004年)などのフジテレビ系ドラマで一世を風靡したあの木村拓哉。その教育役となるホテルマン(ホテルウーマン?)が長澤まさみで、脇を小日向文世や梶原善などの渋い役者が固めます。

 監督の鈴木雅之は、フジテレビの社員として数々の作品を手がけており、特にキムタクと組んだ『ロング・バケーション』(1996年)や『HERO』(2001年、2014年)は、大ヒットとなりました。

 ……と、ここまでお読みになって、勘のいいかたならお気づきかもしれませんが、この映画には、黄金時代のフジテレビ「月9」の足跡がベッタリつけられていました。

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