世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第306回 お化粧しても「悪い」日本経済 (3/3ページ)
それは別に構わないのだが、日本政府は対前年比の統計を出す際に、「入れ替え後のサンプル」と「入れ替え前のサンプル」を比較し、 『実質賃金、21年5カ月ぶりの伸びに=6月の毎月勤労統計』(ロイター通信 ’18年8月7日) などと発表していたのだ。ところが、その後は詐欺的な統計を用いていながら、実質賃金が対前年比でマイナスに落ち込んでしまった。需給ギャップにせよ、実質賃金にせよ、統計マジックを駆使しても「悪い」というのが現実の日本なのである。
それにも関わらず、安倍政権は今年10月の消費税率10%への引き上げを強行しようとしている。「狂っている」としか表現のしようがない。しかも、今年は御代替わりだ。平成が終り、新たな御代が始まる、まさにその年に、消費税を再増税し、日本経済をデフレの渦の中に叩き込むつもりなのだろうか。安倍政権が「真っ当な感覚」を持ち合わせているならば、お化粧をした経済指標であっても「再デフレ化」が明らかで、かつ新たな御代が始まる以上、早期に消費税増税の凍結(できれば「減税」)を決断しなければならない。さもなければ、わが国は普通に再デフレ化し、国民の貧困化と小国化が、終わりない形で継続していくことになる。
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みつはし たかあき(経済評論家・作家) 1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。