元銀行支店長が語る「資産家」になるための唯一の条件 (2/4ページ)
お金で苦労しない人生を送れることやお金持ちになれる条件は「学歴」ではありません。誰かが困っていることを探し、能動的に動いてそれを解決できることです。これが、ビジネスの基本ですから。
――子どもが選ぼうとしている職業が、親から見るとどう考えてもお金で苦労しそうに思える時、子どもにアドバイスをするとしたらどのような言葉をかけるのがいいのでしょうか。菅井:それはやらせたほうがいいと思います。ただ、その職業でどのくらいのお金が稼げるのかは現実的なデータとして示してあげるべきでしょうね。
たとえば俳優なら、アルバイトなどをせずに俳優の仕事だけで生きている人はこれくらいいて、年収300万円稼げている人はこれくらい、1000万円稼ぐ人はこれくらいいる、というのを調べさせたらいいですよ。そこから先は自分の人生ですから自分で考えて自分で決めなさいと言えばいい。なりたい職業の現実を見せて、それでもなりたいかどうかは自分で考えさせるのがいいと思います。
――お金についての悩みとしてよくあるのが「老後の資金」です。金利が低い今、貯金だけで十分な資産を持つことは難しいということで、投資ばかりがクローズアップされて貯金の重要性がおざなりにされる風潮がありますが、この風潮についてはどんな感想を持たれていますか?菅井:投資を煽るようなことを言う人はたくさんいますが、そういうことを誰が言っているのかを考えないといけません。銀行か証券会社の人でしょう(笑)。彼らの目論見を知らずに、言われたままに株を買ったりして投資を始める。そんなの全く本質的なことではありません。
ばりばり働ける年齢であれば、手持ちの500万円のポートフォリオがどうとか言うよりも、自分に投資して10万円でも20万円でも今より稼げるスキルを身につける方がよほど賢いということは大人が子どもに教えるべきです。そして、稼いだお金は貯めておけと。
――貯金はやはり重要だということですね。菅井:重要です。ですが、まず貯金の意味を知っておかないといけません。
資産家と呼ばれる人に共通しているのは、銀行から借りたお金をうまく活用し、資産を増やしていることです。彼らは例外なく銀行との付き合い方がうまい。これは断言できます。