「孤立するロシア」はウソ? 日本人が知らないロシアの実態 (2/5ページ)
先進技術で戦後復興を成し遂げたというのと、伝統文化が日常の中に息づいているというところが好感度が高いんだと思います。あとは品質の高さというところで日本製品への信頼感は篤かったです。日本車は10年走ってもロシアの新車より故障率が低いとか、日用品は品質が均一で「はずれ」がないなどですね。
あと、現地の人と話すと結構日本人の名前が出てくるんですよ。黒沢明とか溝口健二、安部公房、川端康成…。たぶんソビエト時代から日本のことを教えていたんだと思いますが。
――それは意外です。加藤:おそらく、日本独自の精神的な空間の広がりのようなものにシンパシーを感じているんだと思います。彼らは森の民といいますか、海というよりは森林に心の安らぎを感じる人たちですから、同じようにとらえどころがない精神性を重視する独自の文化圏を持っている人たちには関心が高い。
先日モスクワに行く機会がありまして、ちょうど日露首脳会談で安倍首相が領土問題の解決と平和条約締結をはたらきかけた微妙な時期だったのですが、「ベドモスチ」という現地の主要なビジネス紙を見ると83%のロシア人が日本との関係を「重要」と回答していて、日露関係が「良好」と答えた人は60%と報じていました。
おそらく日本人の方はあまりロシアに対していい印象を持っていないと思うのですが、ロシアの方からするとそうではないんですよ。
――いい印象を持つ以前に、日本人はロシアについてほとんど知らないというのが実際のところかもしれません。ロシア東部については特に情報が少ないですね。加藤:たしかに、日本人が持つロシアのイメージはサンクトペテルブルクとかモスクワとか、ロシア西部のものばかりで、中央部のシベリアや東部にいたってはほとんど知られていません。印象がいい悪いではなく「ない」のが現状でしょうね。
ただ、この東部にこそ注目すべきですし、理解すべきだと私は考えています。たとえばサハ共和国という世界一広い地方自治体があるのですが、日本と時差がなく距離的にも近い。ビジネスの視点で見るとこれは大きなアドバンテージです。リアルタイムでコミュニケーションが取れますし、物流コスト、トラベルコストも低い。