「孤立するロシア」はウソ? 日本人が知らないロシアの実態 (3/5ページ)
この「地の利」をビジネスでもっと生かせるのではないかというのは、今回の本で言いたかったことでもあります。
―― 一方で現状に目を移すと、ロシアに進出してビジネスをする日本企業や日本人はごくわずかです。この原因はどんなところにあるのでしょうか。加藤:人の往来が少ないことでしょうね。最近日本とロシアの間でビザの取得条件が緩和されたこともあって、2017年にロシアを訪問した日本人の数は約18万人と、前年から4万人ほど増えました。ただ、アメリカには357万人、中国には259万人も渡航していますからね、依然として非常に少ないといえます。
おもしろいのはさっきのお話にも出たロシア東部で、沿海地方という日本海に面した極東の一帯を中国人は42万人、韓国人は10万人訪問しているのですが、日本人は約1.8万人です。一応、ロシアは隣国ですし、極東地域は中でも一番近い地域ですからね。極端に少ないといっていい。
ビジネスに限らず観光も含めてお互いの国を訪問する人を増やして人の往来を活発にすることが、ロシアでビジネスをする日本人や日本企業を増やすことにつながると思います。
――ロシアでビジネスをするにあたって、ビジネスルールの違いや言葉の問題がありそうですがいかがでしょうか。加藤:冷戦期と違い、今の若い世代のロシア人は英語を自在に使います。大手の企業であればまず英語は通じますね。
また、こういうことは日本の企業の方はあまり知らないのですが、ロシアは国際会計基準の財務諸表を採用していますし、大手、最近は中堅企業も財務データを積極的に開示します。国際格付け機関の格付けも取得していますから、問題なく国際標準でビジネスができるはずです。
――2005年にモスクワのシェレメーチエヴォ国際空港で飛行機の乗り継ぎをしたことがあるのですが、英語が通じずに大変な思いをしたことがあります。今ではもうそんなことはなさそうですね。加藤:今はもう言葉が通じずに困ることはほとんどないと思いますし、空港職員の態度も昔とはずいぶん変わりました。