「孤立するロシア」はウソ? 日本人が知らないロシアの実態 (4/5ページ)
初めてモスクワに赴任した2001年頃は、空港で「外貨を全部出せ」と言われて出したら、事前の申し出と整合しないということで裏に連れていかれて賄賂をせびられる、というようなことがまだありましたが、そういうのはなくなりましたね。2005年頃から劇的に変わりはじめました。今は入国手続きもスムーズになっていますし、職員の対応についてのアンケートまであります。昔はこういうのは考えられませんでした。
――日本で聞こえてくるロシアの評判は決してかんばしいものではありません。たとえばロシアについての報道でよく見かけるのが「国際社会で孤立を深めるロシア」というフレーズなのですが、これはどの程度正しいのでしょうか。加藤:これは二つの側面から考えるべきでしょうね。まず、安全保障・外交の観点でいえば、国境不可侵を原則とする戦後の国際秩序を尊重する国々のサークルからは明確に孤立しています。ただ、経済という観点でいうとまったく孤立はしていなくて、各国との経済交流によってむしろ仲間を増やしているのが実態です。
複数の国からなるコミュニティはいくつも種類がありますし、国際関係はそもそも多層的なものです。日本で報じられているロシアはその多層的な国際関係のあくまで一面にすぎません。ロシアやプーチン大統領のことはもっと複眼的に見るべきだと思いますね。
――なるほど。加藤:毎年6月に行われるサンクトペテルブルク国際経済フォーラムや、9月頃ウラジオストックで開催される東方経済フォーラムの顔ぶれを見ると、ロシアが経済面ではまったく孤立していないことがわかるはずです。
フランスのマクロン大統領や日本の安倍首相、中国の王岐山国家副主席といった国際政治上の要人だけでなく、米国エクソンや英国・オランダBP、フランスのTotalといった資源メジャーのトップも多く参加しています。緊張関係にあるとされる欧米からこれだけの人が来ているわけです。
――ロシアに対して経済制裁を科している国の政治家が参加しているのには驚きました。加藤:そこはやはりプーチンには求心力があり、言っていることに一定の合理性があると評価されているということでしょう。