腹腔鏡手術、うっかりミス…医療事故「危ない病院」の見分け方 (3/4ページ)

日刊大衆

術中に使用した鎮静剤プロポフォールが小児への使用が禁止されている薬剤で、その大量投与が死亡原因とされた。

 この事故に関し、『クローズアップ現代+』(NHK)の取材で、同院病院長は「本当に申し訳ないことだと思います。2度とあってはならないことだと思います」とコメントした。

 また同年には、脳腫瘍の治療で入院していた40代女性に、発作抑制の抗てんかん薬を飲むように指示したが、患者は死亡。通常の16倍の濃度で薬剤を処方したことが原因、と新聞各紙で報じられた。

 院内の連絡不徹底で、患者が死亡したという事例もある。2018年6月8日、千葉大学医学部附属病院は会見を開き、「患者9人でX線CTの画像診断報告書の確認遅れがあり、うち4人の治療結果に影響を及ぼし、2人が死亡した」と発表した。死亡した2人については、新たにがんを認識した段階では、すでに手術も不可能な状態だったという。同院院長は「深くお詫び申し上げる。全力で再発防止に務める」と謝罪した。

■医療過誤の裁判例は…

 医療ジャーナリスト・牧潤二氏は、こう語る。「医療過誤と思われる裁判例は、かなりの数あります。最高裁の最新データ(17年)ですと、年間に医療過誤の訴訟提起件数が857件。近年、増加傾向にあります。全国の病院数はおよそ9000ですから、10病院で1件の訴訟を抱えたことになります。訴訟がどうなったかのデータもあり、それを見ると約2割は原告(患者側)勝訴。また和解で賠償金を得ている例も多いです」

 医者の対応に不安を感じたら、ICレコーダーなどで会話を録音しておくことが重要。だが、仮に裁判で勝てたとしても、死者は生き返らない。危険な病院を見分ける方法はないのか。前出の岡田氏は語る。

「過去に医療ミスがあった=危険な病院とは限りません。事故が起きた後にしっかりと対応したか、なぜ医療過誤が起きたのかを患者や家族にしっかりと説明したかが重要。それができない病院が問題なんです。私のところに相談に来る患者からの苦情のほとんどは、“医師が話を、ちゃんと聞いてくれない”“説明してくれない”ことに尽きます。

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