識者が語る ロシアに経済制裁が効かない本当の理由 (3/5ページ)

新刊JP

これは前例があって、昨年の4月にトランプ政権がオレグ・テリパスカというロシアの寡占資本家が所有している複合企業体「EN+」やアルミ大手「ルサール」といった企業を制裁リストに入れたのですが、EUからの猛烈な反発があって、結局解除しました。

ルサールはヨーロッパ市場でのアルミニウムのシェアで25%を占めますから、EUが反発するのは当然と言えば当然なのですが、トランプ政権も同盟国からそこまで強い抗議があるとは思っていなかったようです。

ガスプロムにしてもロシアアルミニウムにしてもヨーロッパの産業を支えている存在で、こういう企業に対してはアメリカに制裁はさせないという姿勢がEUにはあります。陸続きであり長く付き合ってきた経済的パートナーを守ろうという雰囲気がユーロ債の購入という形で表れているんだと思いますね。

――金融への制裁についてはいかがですか?

加藤:ユーロ建でロシアの国営金融機関に長期の新規融資をしてはいけないという制裁があるのですが、公布された文言を読むと

「欧州とロシア間の制裁対象物品(大深海、北極圏、シェール層開発プロジェクトにおいて石油探鉱、生産に使用される設備、武器等)を除く一般物品に係る取引については制裁対象外」

とあります。あたりまえですが、世の中のほとんどのものは「一般物品」ですよね。

――巨大な抜け穴ですね。

加藤:95%くらい骨抜きにするような抜け穴です。例外規定を設けることでEUが意図的に金融制裁を無効化しているんです。仕事上EUの真意を知る必要があったので、ヨーロッパの輸出信用機関の人に話を聞いたら、その人も「制裁を骨抜きにするための文言だ」と言っていました。

というのも、EUがロシアへの制裁を発表した時、ロシアと経済的な関係が深い加盟国はEU当局に飛んで行って説明を求めたそうなんです。その際に「いや、これは骨抜きにするから大丈夫だ」と説明を受けて安心したと。これははっきり言っていました。

――日本企業がロシアに進出するにあたって、ロシアやプーチンの価値観と目標を理解することが大事と書かれていました。プーチンの価値観と目標とはどのようなものなのでしょうか。
「識者が語る ロシアに経済制裁が効かない本当の理由」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る