乾電池の発明は遅刻がきっかけ!?世界で初めて乾電池を発明した日本人・屋井先蔵 (1/3ページ)

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乾電池の発明は遅刻がきっかけ!?世界で初めて乾電池を発明した日本人・屋井先蔵

世界で初めて乾電池を発明し、「乾電池王」と呼ばれた人物がいます。彼の名前は、屋井先蔵(やいさきぞう)。

1863年、現在の新潟県長岡市に生まれた先蔵は、幼いころから天体や水車、コマなど回り続けるものに興味を寄せていました。13歳になると奉公に出て、時計店で働くようになりました。

乾電池を世界で最初に発明した屋井先蔵(Wikipediaより)

時計店で身を粉にして働くうちに、精密に回り続ける歯車たちのとりこになっていきます。屋井は機械についてさらに学ぶために上京し、東京職工学校(現在の東京工業大学)への入学を目指します。ところが、2度目の受験の際、正確な時計が周囲にひとつもなかったために、試験会場に5分遅刻してしまい、受験できないという苦い経験をしてしまいました。当時の時計は手動のゼンマイ式が主流で、街中で目にできる時計が示す時刻もバラバラでした。

屋井はこのときの経験が引き金となって、電気で常に正確に時を刻む「連続電気時計」の開発に、情熱を注ぐようになりました。屋井の努力によって「連続電気時計」は完成しましたが、売れ行きはあまりよくありませんでした。その畏友は、電源に使っていた液体電池(湿電池)にありました。液体電池には、「冬になると内容物が凍り使えなくなる」、「ひんぱんに液漏れが起きるのでメンテナンスが面倒」といった欠点がありました。

そこで屋井は課題を解決すべく新たな電池の開発に着手。日中は親戚が営む工場で働きながら、それ以外のほぼすべての時間を研究と開発に費やし、試行錯誤の末に薬液が浸み込んだパラフィンで炭素棒を固めて、液漏れしづらく改良した電池をつくりあげました。こうして、冬にも凍らず、液漏れしない電池が造られました。この電池は、従来の「湿電池」に対して「乾電池」と名づけられました。

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