人気ミステリ作家が明かす創作の「型」とスタート地点 (1/3ページ)

新刊JP

『本と鍵の季節』の著者・米澤穂信さん
『本と鍵の季節』の著者・米澤穂信さん

出版界の最重要人物にフォーカスする「ベストセラーズインタビュー」。
第105回の今回は、昨年12月に刊行された最新作『本と鍵の季節』(集英社刊)が絶好調の米澤穂信さんが登場してくれました。

『本と鍵の季節』は、利用者のほとんどない放課後の図書室で当番をつとめる高校2年生の二人、堀川と松倉が、図書室に持ち込まれる謎や身の回りで起きた事件の解明に挑む作品集。団結して推理を進めるわけではなく、かといって別行動でどちらが先に真相にたどり着くかを競うわけでもない。二人の微妙な距離感が高校生っぽくてクセになります。

今回はこの作品の成り立ちや、米澤さんが得意とするミステリ小説について、そしてご自身が影響を受けた本についてたっぷりと語っていただきました。
(インタビュー・記事/山田洋介)

■創作のスタートになるミステリ小説の「型」とは ――ミステリ作家の方がどういうプロセスで作品を作り上げていくのかに興味があります。構想は小説のどの部分から始まるのでしょうか。

米澤:時々「こういう話を書こう」というようにストーリーを先に思いつくことがあるのですが、こういう場合はミステリとしては空中分解してしまうことがあるんです。

やはりミステリの出発点は「何が謎か」というところだと思っています。時々、これから書こうとしている小説について「悪い話じゃないけど、でも何を解く話なんだろう?」と自問して、プロットを練り直すことがあります。

――ということは「謎」部分から始めて、そこを中心にストーリーを作っていくということですか?

米澤:ミステリとしての「謎」と、小説としての「ストーリー」が別個にあって、それぞれの最適な組み合わせを考えていくイメージですかね。

ミステリには「型」があるんですよ。「フーダニット(Who done it)」ですとか、暗号もの、密室もの、アリバイもの、誘拐ものなどです。

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