秋津壽男“どっち?”の健康学「『キレる』高齢者の原因は老化や病気?性格?家族を守るために支援センターなどで相談も」 (2/2ページ)
三つ子の魂百までと言われるとおり、子供はすぐに泣いたり怒ったりしますが、大人になるに従って感情を抑えることを学習し、感情を抑圧することで社会生活を送っていきます。怒りの感情が湧いても、手を出すと損をすることを学びますが、中にはこの学習がうまくいかない人がおり、他人に危害を加えてしまうのです。
暴力事件や殺人事件を起こす人は、生まれ持った攻撃性や衝動性を抑えられないことが多いとも言われます。カッとなったが最後、相手が謝ろうが血を流そうが、周りが見えないほどの興奮状態に陥り、気がつけば相手を傷つけてしまっています。
以上のような症状が重かったり、また性格的な面も重なることで、「キレる」お年寄りが増えているのです。
短気は損気です。相手に罵倒されて頭にきた時、5秒ほど我慢して深呼吸をすること、一呼吸置くことで「損」は回避できます。
「キレやすい高齢者」に困っているその家族は、まずは専門医で脳の診療を受けてください。介護に行き詰まった時、無理をするとストレスがたまり、自分や家族の健康が保てなくなります。最悪の結果になる前に、今後をどうするか、地域包括支援センターや認知症カフェ(有志団体によるケアシステム)などに相談するのも一つの手段です。
■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。