〈企業・経済深層レポート〉 三重苦のテーマパーク業界[埼玉・飯能]ムーミンランド大コケの気配 (2/2ページ)
そもそも、テーマパーク業界自体が下火だという。
「テーマパーク業界は、多様化、少子高齢化、消費低迷の三重苦で、かなり厳しい。アベノミクスが好調といってもテーマパークが絶好調時のバブルの頃とは勢いが違います」(観光業界関係者)
一部を除いて、ほとんどのテーマパークはバブル期を境に転落している。
「1990年に福岡・北九州市で、宇宙をテーマにした『スペースワールド』が開園しました。1997年度には、来場者数が年間216万人に達し隆盛を誇りましたが、徐々に入場者が減り経営が悪化。2004年3月期には351億円の累積損失がありました。そして2005年7月に、営業権をリゾート運営会社の加森観光に譲渡したのです」(観光事業関係者)
加森観光は、経営に行き詰まったリゾート施設を買収することによって事業を拡大した。いわば、リゾート再建のプロである。
一時は業績も回復したが、それでも客足は遠のき、スペースワールドは2018年の元旦で長い歴史に幕を閉じた。
長崎・佐世保市にあるテーマパーク「ハウステンボス」も苦しい経営が続いている。
「ハウステンボスは1992年に、2000億円規模の費用をかけて開園。当初は、350万人もの入場者数を誇りましたが、その後は立地の悪さとイベントのマンネリなどから客足が激減。経営に行き詰まり、2003年には民事再生法を申請しています。2010年には、名経営者の澤田秀雄社長率いるHIS(エイチ・アイ・エス)が経営再建に乗り出し、世界最大のイルミネーション(約1300万球)が話題を呼び一時は持ち直した。しかし、2016年の熊本地震をきっかけに客離れが加速して、再び経営が厳しいともっぱらの噂です」(同)
2017年、愛知・名古屋市に新設された「レゴランド・ジャパン」も、開業半年で入場者数100万人は達成したものの、年間200万人には届かず、入場料の値下げを余儀なくされている。
奇跡の大復活をした大阪の「USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)」や世界屈指のテーマパークとして定着した、千葉・幕張の「東京ディズニーランド」などを除けば、どこのテーマパークも厳しい経営なのが実情だ。
ムーミンランドは、従来のテーマパークを逸脱した路線で、果たして生き残れるのだろうか。