秋津壽男“どっち?”の健康学「年を重ねるごとに身長が縮むのはホント?骨密度や姿勢を正すことを意識していくべし」 (1/2ページ)

アサ芸プラス

秋津壽男“どっち?”の健康学「年を重ねるごとに身長が縮むのはホント?骨密度や姿勢を正すことを意識していくべし」

 年を取って腰が湾曲する人は少なくありません。この症状は医学的に「老人性円背」と言います。一般的に骨密度の低い女性に多く、骨粗鬆症による圧迫骨折によって、骨折した実感もないまま腰が曲がっていきます。

 この老人性円背になると背も縮んでいきますが、ここで問題です。老人性円背に関係なく、年を取ると身長が縮むのは本当でしょうか、それとも気のせいでしょうか。

 人間は子供の頃は背が伸びますが、成人以降はしだいに低くなっていきます。40歳以降は10年間で1センチほど縮み、死ぬまでに平均で2センチほど縮みます。

 理由としては「加齢による体内の水分減少」や「姿勢の悪さ」が挙げられます。骨折が原因で、最大で8センチ低くなったというケースもあります。「骨粗鬆症による脊髄の圧迫骨折」を起こすと1日で1センチ縮むこともあるので、身長が若い頃より3センチ以上低くなった場合、骨粗鬆症の可能性がありますので、病院を受診してください。

 人間の頭部は体重の8%ほどを占めています。体重60キロの人で5キロ前後にもなります。細い首の骨に相応の重量の部分が乗っかり、日々、腰骨までを圧迫しています。つまり成人を過ぎて成長が止まると、頭の重みで背骨がゆっくりと変形していくのです。

 もう一つ、人間の体内の水分量は子供で70%、成人で60%、老人になると50%に減っていきます。また、背骨にある椎間板の水分量も20歳の頃に90%ほどあったのが40歳では70%に減り、加齢とともに最終的に60%までに減ります。これによりクッションの役割を果たしている椎間板が薄くなり、重みがかかって身長が縮んでいくのです。

 つまり、骨の変形と椎間板が縮みの原因となり、背が少しずつ縮んでいくわけです。

 生活習慣による悪い姿勢も原因の一つです。猫背の人は特に背骨がゆがんでいき、結果として身長も縮みやすくなるので、正しい姿勢を維持する必要があります。O脚なども身長を低くする要因となります。

 年を取って猫背になってしまった場合、まず歩行や日常生活に支障が出てしまいます。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「年を重ねるごとに身長が縮むのはホント?骨密度や姿勢を正すことを意識していくべし」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2019年 4/11号“どっち?”の健康学骨粗鬆症秋津壽男身長カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧