元財務官僚が語る 仮想通貨の普及を妨げる弱点とは (3/4ページ)

新刊JP

みんなが勝手に「これだけの額の取引があるはずだ」と思っていて、ある種共同幻想に近いものです。

一方で共同幻想という点では法定通貨も同じです。国家を信用しているからみんなその国の通貨を使うわけで、信用が崩れた時は価値が暴落する。もともと通貨というのは信用を失えば価値が下がるものなんです。

ただ、私が提唱している未来のお金としての仮想通貨は、実体的な価値と結びついたお金です。本の中で「肩たたき券」を例にしていますが、Aさんの肩たたきが気持ちよくてもっとやってほしい人がいるから「肩たたき券」が発行される。もちろん、これは肩たたきでも歌でも、料理でもいいわけですが、このような多様な価値に対して通貨が発行される状態を想定しています。むしろこのほうが価値に裏付けられた、実体の伴うお金だとみることができるのではないでしょうか。

――今回の本をどんな人に読んでほしいとお考えですか?

松田:キャッシュレス化や仮想通貨によってお金の概念が変わりつつある今、「お金って何なのか」とお金の概念そのものについて考え直す時期にきています。その意味でこの本は、どなたにも関係のある内容ですから、ぜひみなさんに読んでいただきたいですね。

――最後になりますが、読者の方々にメッセージをお願いします。

松田:私たちはちょうど社会の大きな曲がり角にいます。技術革新によって私たちが自分らしくやりたいように生きられる社会を、作ろうと思えば作れるところまで来ていて、その主役は私たち一人ひとりです。

これまでのように政治家や役所に期待するのではなくて、それぞれが自分の生きたいように生きつつみんなで支え合える社会がこれからやってくる。なぜそれが実現するのかを書いたのが今回の本です。いろいろと憂鬱なこと、理不尽なことが多い世の中ですが、どんな人も決して希望を捨てないでいただきたいです。

(新刊JP編集部)

■松田学氏プロフィール
松田政策研究所代表、バサルト株式会社社長、社団法人ドローンシティ協会理事長などを務める。東京大学経済学部を卒業後、大蔵省(当時)に入省。

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