特集・日本の歴史は忍者とともにあった!? (3/3ページ)

日刊大衆

 江戸時代になると忍者の需要は激減するが、柳生や伊賀・甲賀が“公儀忍び”として生き残り、明治初期まで活動した。

 すでに絶えたかに見える忍者の伝統だが、その名を「NINJA」に変え、いまだ息づいている。いまなお暗躍を続けるスパイは忍者の末裔であり、ゲリラ戦闘を得意とする特殊部隊は“現代の戦忍び”だからだ。

 世界に冠たる諜報集団、忍者を生んだ日本。しかし、その日本は現在、先進国の中で唯一対外情報機関を持っていない“情報貧国”に成り下がってしまっている。

「太平洋戦争期には、陸軍中野学校と呼ばれるスパイ養成機関が設置され、連合国相手に熾烈な諜報戦を戦い抜いた日本ですが、戦後は、GHQの方針で対外情報機関の設置は認められませんでした。現在、大規模な戦争のリスクは減じていますが、逆に局地的なテロの脅威は高まっています。さらに、国家間の取り決めを優位に進めるためには、相手方の情報を集めて分析しておくことが不可欠です。産業スパイへの備えも必要でしょう」(防衛省関係者)

 孫子の兵法では「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」と説く。いつの時代も情報強者が、勝利を手にすることは自明である。忍者を生んだ日本は、いまこそ、“21世紀型の忍者集団”を考えるべきかもしれない。

※『EX大衆』2018年9月号より

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