『なつぞら』広瀬すずの輝きを支える「人気脚本家の技」 (2/3ページ)
もちろん、なつと天陽の恋模様もこのドラマのヒットに寄与しているが、実は「タテ軸と横軸」の絡め方の巧みさこそが、『なつぞら』ヒットの秘訣なのではないだろうか。
これまでを振り返ってみると毎週のように、なつがアニメーターを目指すきっかけが散りばめられてきた。幼少期のなつはアニメ映画に目をキラキラさせていたし、高校生になってからは演劇部で表現する喜びを知った。そして兄を探しにやって来た東京で偶然アニメ制作会社を見学し、天陽とのデートではディズニー映画に魅せられた。今週は遭難から救ってくれた阿川(中原丈雄/67)が彫刻に向き合う姿を見て魂の表現を知る。
このようになつの成長、つまりドラマの「タテ軸」が、いやらしくなく織り込まれているのが本作の見事なところだ。おかげで視聴者は泰樹VS剛男(藤木直人/46)や、兄の咲太郎(岡田将生/29)を探す上京といったドラマの「横軸」を楽しみながらも、ヒロインなつに感情移入することができるのだ。
■『なつぞら』は第2の『てるてる家族』だった
この手品のような素晴らしい脚本を書いているのが、脚本家の大森寿美男氏だ。朝ドラでは2003年下半期で、『てるてる家族』の脚本を務めている。