2018シーズン快進撃を見せた町田ゼルビア その指揮官のブレない信念 (1/2ページ)

新刊JP

『不屈のゼルビア』(スクワッド刊)
『不屈のゼルビア』(スクワッド刊)

昨年のサッカーJ2リーグで快進撃を続けたチームがある。
東京都町田市を本拠地とするFC町田ゼルビアだ。

J1ライセンス取得上の関係上、2018年の町田は「昇格なきチーム」だった。それにも関わらず、J2で4位というクラブ史上最高の成績を残した。
J2最小クラスの予算規模である町田のチーム作りができたのか。そのキーマンとなるのが、現場を預かる相馬直樹監督だ。

『不屈のゼルビア』(郡司聡著、スクワッド刊)は、史上最強ゼルビアと呼ばれた2018シーズンの戦いぶり、相馬監督の指導哲学、深津康太やリ・ハンジェ、中島祐希といったチームを支えた選手たちの奮闘の軌跡をたどる一冊だ。

■町田の快進撃と相馬直樹という監督

本書の第2章でまずフォーカスされるのは、相馬直樹監督である。
3連敗しても、どんなに勝っていても、いつどんな時でも自分の考えをブラさない。
信念があって筋が通っている、ブレない指揮官と選手やスタッフから称されているのが相馬監督だ。

あまり戦術やプレーのディテールについて多くを語らない。著者はそんな相馬監督について、「サッカーはメンタルのスポーツ」という大前提のもと、勝利への逆算を追求してきたのではないか、とつづる。
そこで重要なキーワードとなるのが「精神的優位性」だ。

著者が分析する町田のチームスタイルは「攻守両面でボールに複数人が関わる攻守表裏一体のサッカー」。基本的なスタイルはタイトな守備から奪ったボールをスピーディーなカウンターにつなげる形だ。
そのサッカーでは、「精神的優位性」がキーワード。ピッチ上の選手たちが一人でも多くボールにかかわることで、一人がかわされても周りの選手たちがカバーできるようになっていれば、精神的優位性は保たれる。一方で、ボールを奪われてしまう感覚を覚えた相手は、精神的優位性を奪われ「やりづらい」と感じる。町田のプレッシャーが生み出す心理効果だ。

さらに著者は、相馬監督のブレない信念は、チームマネジメントの観点でも反映されていると述べる。「一戦必勝」というスタンス、目の前の一戦に勝つことに注力する。

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