「何度も死のうと思った」 働き詰めのサラリーマンはいかにしてうつから抜け出したのか(前編) (2/5ページ)
一部上場企業の経営企画部というところにいたのですが、実務を担当するメンバーが2人しかいなくて仕事量はめちゃくちゃ膨大でした。腕が20本くらいあって、電話しながら資料を作りながらメールを返しながら…みたいな感じで。
――まさに千手観音のような感じですね。SHINGO:本当そうです。そんな感じなので、「自分の人生ってなんなんだろう」と思うんですね。それがあまりにも悔しくて、ボールペンで太ももを刺して傷つけたりしていました。あとは、これは本の中にも書いていますけど、「自由な人生」とネットで検索して、サラリーマンをやめて成功している人のサイトを見たり。当時は与沢翼さんがネットビジネスで成功していて、「自由な人生を生きよう!」と声高に言う人がたくさんいました。
ただ、自由に生きたくてもできないというか、会社の雰囲気が「雁字搦めになっているのが当たり前だろ?」という感じなんですよね。それが当たり前の中にいると、雁字搦めになっていない奴がダメだというメンタリティになってくるんです。
――本の中でも出てきますが、会社内は「頑張れ。もっと死ぬ気でやれよ」という空気だったそうですね。その結果、ついにある朝まったく起き上がれなくなってしまいます。SHINGO:そうですね。その時は不思議な感じです。何で体が動かないんだろう。力が入らないというか、腰が抜けちゃってる感じです。寝返りくらいは打てるけど、まさにこの本の最初の言葉である「あれ?」です。起きなきゃいけないのに起き上がれない。
――頭の整理はついているんですか?SHINGO:多少の混乱はありましたけれど、意外と冷静でした。すぐに思い浮かんだのは、仕事ができなくなるかもしれないということです。そうなると、家族を養えなくなる。さあどうしたものか、と。
――奥さんもまだ小さな子どもいるし、マンションのローンもある。これはまずい、と。SHINGO:はい。ただ、長期的な視点で見れば今日一日休むならありかなと(笑)。
――今日だけは休んでみようと。