ゲスの極み!鬼畜の所業!平貞盛が自分の孫を殺そうとした理由がエゴすぎる【下編】 (2/4ページ)
そして病が治ったのはよいとして、「もしも児干の事を言いふらされたら悪評が立つ」と疑心暗鬼に陥り、命の恩人である医師を帰り道に暗殺するよう、息子の左衛門尉(さゑもんのじょう)に命じます。
どこまでもゲスい貞盛にうんざりした左衛門尉。内心で医師を救おうと思いながらも命を受け、医師に父の陰謀を打ち明けると、医師の命を救うべく策を講じます。
かくして医師は暇(いとま)を乞うて京の都へ出立すると、貞盛は護衛(実は刺客)として判官代を随行させたのですが……。
小悪党の最期「……やれやれ、何でそれがしがこんな役目を……まったく、草臥(くたび)れてかなわんわい」
貞盛から医師の警護を命ぜられた判官代は、徒歩で京の都を目指す道中、ずっとブツブツと文句ばかり垂れ流していました。
それを聞いた医師は内心でこれ幸いと申し出ます。
判官代に馬を代わってやる医師(イメージ)。
「ほんなら判官はん。わての馬ぁ貸したるさかい、代わりにお乗りなはれ」
「おぉ、気が利くなぁ」
お礼も言わず医師を押しのけるように馬にまたがると、意気揚々と先を目指します。
「オラオラ、さっさと行かねぇと日が暮れちまわぁ。急げ急げ」
馬に乗った途端に先を急ごうとする判官代にむかっ腹を立てながらも、左衛門尉との企みに内心ほくそ笑み、医師やその弟子たちはついて行きました。
そんな黄昏時、繁みの中から一筋の矢が放たれ、みごと判官代の胸を貫きました。