なぜ彼は笑わないの? 「笑わない人」の心理とつきあい方 (2/3ページ)
表情を変えるためには表情筋を鍛える必要があるということは、あまり意識されません。モデルやアイドルなど“人に見られる仕事”の人なら、口角を上げる練習をするでしょうが、一般の男性でそれをやっている人はそう多くはないでしょう。
本人は笑顔のつもりでも、顔の筋肉が鍛えられていないために笑顔の表情を作れていない。だから笑っているように見えない、ということがあるんですね。
◇笑うタイミングがわからない
笑うのが苦手というのは、“どこで笑っていいのかわからない”という問題にも関係します。喜怒哀楽の感情は誰にでもありますが、それをどう表現するかは“後天的に学習されていく”という説があります。
社会や文化がちがえば、必ずしも楽しいときやうれしいときに限らず、悲しいときや怒っているときに“笑う”という行動がとられることがあります。子どもの周囲にいる大人が、その社会で適切に笑顔になる状況にないと、どんなタイミングで笑顔になればいいのかわからずに成長してしまうんですね。つまり、笑わない人の周囲には笑う人が少なかった、ということもありうるでしょう。
◇“快の笑い”のハードルが高い。または“かっこつけ”
笑うことは別に苦手じゃない、笑うタイミングもわかっている、それでも笑わない、という人の場合はどうでしょうか。芸人さんたちの舞台で、観客のほとんどが笑っているのに、なぜか笑わない人がいますが、このタイプは「楽しい」「おもしろい」と感じる“快の笑い”のハードルが高いのかもしれません。
または、笑うことは「かっこわるい」、笑わないほうがクールでかっこいいと思っているのかもしれません。そんな人は、つとめて無表情をキープします。顔には出しませんが、心の中ではゲラゲラ笑っている、なんてこともあるでしょう。
■“笑わない人”と、どうやってつきあえばいいの?
これらの“笑わない人”とは、どう接していけばいいのでしょうか。
大事なことは、あなたが“相手が笑わない”ことを気にしないことです。私たちはどうしても、相手の表情を反応として受け止め、コミュニケーションの量や質を変化させます。